ビール造り体験記(後編)
今回はビール造り体験の後半です。
前回記事、ビール造り体験記(前編)はこちら
さて、いよいよビール造りを始めます!
1.レシピ打ち合わせ
1-1.ベーススタイルの決定
常陸野ネストビールを試飲しながら
どんなビールを造りたいか決めていきます。
写真左から
・ホワイトエール
・アンバーエール
・スウィートスタウト
まずは、この4つの中から
ベースとなるビアスタイルを決めます。
んー、美味い(^^♪
今回は4人で行ったので
二人一組に分かれて2種類のビールを造ります。
どうしようか相談中の図。
どんな感じにしようか悩んでいたところ
スタッフの方が「IPAも出来るよ」と。
IPAとは・・・
ペールエールの一種で
インディアペールエールの略。
ホップを大量に使うので香りと苦みが非常強く
他のビールと段違いの強烈なパンチが特徴。
かなり個性的でクセが強いので
好きな人はハマるが、苦手な人もいるかも。
代表的なIPAをいくつか紹介します。
【インドの青鬼】
コンビニなんかでも買えるので
飲んだことがある人も多いのでは。
【フライングIPA】
ドラゴンの絵が特徴的な
【LUCKY CHICKEN】
日本酒で有名な黄桜がつくる
チキン料理によく合うIPA。
【だいだいエール】
茨城県で栽培されている
福来みかん(ふくれみかん)を使用したIPA。
今回お世話になった常陸野ネストビールの人気商品。
クセの強いビールを造りたかったので
もう一種類は
スウィートスタウトに決定しました。
1-2.アルコール度数、色味の決定
アルコール度数によって
出来上がるまでの期間が変わります。
5%では約1ヶ月程度かかり
1%高くなるごとに
だいたい1週間ぐらい長くなります。
なるべく早く完成させたかったので
5%にすることにしました。
(到着予定日:3月19日)
(咲桜百花生誕ライブ:3月20日)
ギリギリ間に合う←
次に色味を決めます。
ビールの色は
この辺はフィーリングで決めました。
1-3.苦さ(IBU)の決定
苦さには「IBU」という単位があって
数字が大きいほど苦くなります。
僕が造ることにしたスタイルの
通常、苦みが非常に強くIBU50ぐらいですが
苦みを抑えて香りだけ強いIPAにしたかったので
苦みはIBU20ぐらいに設定しました。
また、もう1種類のスタイルの
スウィートスタウトは色が真っ黒なので
苦そうに思われますが
ラクトース(甘味料)が入ることで
苦みが少ない甘い黒ビールになります。
IBUは15ぐらいに設定。
1-4.ホップ、副原料の決定
ホップには
・苦み付けで使われるビタリングホップ
・香り付けで使われるアロマホップ
があります。
手造りビール工房では
ペレット状のホップが9種類あって
この中から好みのものを3種類選びます。
また、副原料は
主にホワイトエールで使われる
・ナツメグ
の3種類(写真右側の3つ)があります。
ホップの匂いを嗅いで、どれが良いか相談中。
いろんなホップを嗅ぎすぎて
よくわからなくなってしまった。。
ここもフィーリングで決定(笑)
これでレシピ完成。
スタッフの方が、それぞれの配分が詳しく書かれた
レシピを作ってくれました。
(配合表はヒミツ)
このレシピを元にビールを造っていきます。
2.麦芽の計量と破砕
出来上がったレシピを元に
スウィートスタウトは数種類の麦芽を
組み合わせます。
計量した麦芽を機械で破砕します。
破砕完了!!
3.麦芽の糖化
破砕した麦芽を、お湯を張った釜に投入します。
よくかき混ぜながら温度を65℃まで上げます。
酵素の働きによって
麦芽のデンプンが糖に変わります。
(ここで出来た麦芽糖が発酵時にアルコールに変わります)
4.マッシュアウト
糖化が完了しているかヨウ素液を使ってテストします。
青紫色に変化しなかったので糖化成功です。
実際に麦汁を飲んでみると
甘くなっていることがわかります。
釜の麦汁の温度を76℃まで上げ
酵素の働きを止めます。
5.麦汁のろ過
釜の下から麦汁を出して、それをまた
上から静かに入れることで麦汁を循環させ
釜の中に麦芽の層をつくります。
この麦芽層がろ過フィルターの役目を果たし
粕や濁りを取り除ききれいな麦汁になります。
6.移動、スパージング
糖化釜の下から麦汁を出して
隣の煮沸釜に移動させます。
このとき糖化釜の麦汁が減って
麦芽層が空気に触れると
酸化して味が落ちてしまうので
上からお湯のシャワーをかけて
酸化を防ぐとともにより深い風味を得ます。
(スパージング)
IPAの麦汁を移動。
きれいな麦汁ができました。
スウィートスタウトの麦汁を移動。
良い色になってますね。
7.煮沸、ホップ添加
麦汁の殺菌
そして深い味わいを出すために煮沸します。
煮沸中の麦汁に
3回に分けて時間差でホップを投入します。
1回目:ビターホップ(苦み付け)
2回目:アロマホップ(香り付け)
3回目:アロマホップ&副原料
IPAの方はホップの他に副原料として
・ナツメグ
を入れることにしました。
トッピングマシマシにして
香りの強いビールにしようと思います。
スウィートスタウトの方は副原料として
甘みを出すためのラクトースを入れます。
8.麦汁冷却
麦汁を酵母が活動しやすい温度まで
機械で瞬間冷却し発酵容器に取り出します。
この時点で作業時間が4時間を超えて
疲れが出てきてしまったため、、
冷却作業の写真は撮ってません。。
冷却完了!!
ビール造り体験の作業はここまでとなります。
冷却された麦汁で乾杯!
まだアルコールや炭酸がないため
ビールとは程遠い味ですが
ここからどんな風に変わっていくのか楽しみです。
この後の
・ビール酵母添加
・発酵、熟成
・ボトリング、発送
の作業は木内酒造のスタッフがやってくれます。
完成は約1ヶ月後!!
9.ラベル作成
ビールのボトルに張るラベルも
オリジナルで作ることが出来ます。
ビール造り体験の日から2週間以内に
メールで画像を送ると
オリジナルのラベルをつくってくれます。
今回、僕が造ったのは
牧野百花さんのバースデイ記念ビールなので
ラベルも牧野百花さん仕様にしてみました。
10.完成、お届け
2020年3月19日
ついに完成したビールが届きました!!
ラベルは別で送られてくるので
ボトルに貼る作業は自分で行います。
『よかろうビール』完成!!!!
我ながら素晴らしい出来ではないか!!!!
翌日(3月20日)、ビールを手に
始発の新幹線に飛び乗り東京へ向かいました。
咲桜(牧野)百花さんの生誕ライブです。
無事にビールを渡すことが出来ました。
これにて任務完了!
どんなビールにしようかと考えるところから
最後にビールを渡すところまで
ずっとワクワク・ドキドキしていられる
素晴らしい体験ができました。
ビール造りに興味をもった方は
下のHPから予約ができます。
以上、たそがれ煎餅のビール造り体験記でした。